「いやぁ、でも野菜ジュース飲んでるし、野菜不足とは関係ないな」
若い世代のひとほど、こう考えているひとが多いそうです。
あるいは、サプリメントに頼ったり、お惣菜のカットサラダに頼ったり。
とにかく、生の野菜を使ってご飯を作る手間暇がないので、それ以外の方法で、なんとかして栄養不足を補おうと考えています。
なるほど、確かに、何もしないよりはマシです。
でも、思ったとおりの効果は望めないかもしれませんよ……?
1、野菜ジュースを飲んでるよ
スムージーって、身体にいいんですよ。
スムージーは、生野菜をミキサーにかけて、そのまま飲む飲み物です。まあ有名なので知ってますね。
どうして身体にいいのかと申しますと、生野菜に含まれる栄養素を、そのまま身体に取り込めるからです。
えっ、スムージーも市販の野菜ジュースも同じじゃん、ですって?
そう思われるかもしれませんが、実はちょっと違うんです。
確かに原料は同じです。野菜を使っています。
ですが、市販されている野菜ジュースの場合、加工の過程で熱を加えています。野菜の栄養素のうち、ビタミンCなど、熱に弱いものはこれで消失してしまいます。
また、飲みやすくするために、ろ過して野菜の繊維質を取り除き、甘みを足しています。この、取り除かれた繊維質が食物繊維で、足されたものは糖分です。
つまり市販の野菜ジュースとは、スムージーから栄養素の一部と食物繊維を抜いて、砂糖を足したものなのです。
私も野菜ジュースが好きで、市販のものもたまに飲みますし、外食などでも野菜ジュースを飲みますが、別に健康効果までは期待していません。美味しいから飲んでいます。
でも野菜ジュースと同じぐらい、コーラとかサイダーも飲みます。健康効果的には、たいして違いはないんですよね。
2、サプリメントを摂取しているよ
自分の身体の中に、一体何が足りていないのかを調べて、それを補う形でサプリを摂取するというのは、とても有用だと思います。
例えばプロテイン。
特に運動をしていない人ですと、一日に必要なタンパク質の量は、体重1kgあたり1gとされています。60kgのひとだと60gになります。
必要なタンパク質をすべてお肉で賄うと仮定します。お肉に含まれるタンパク質は、100gあたり15~20g程度です。かりに20gとして、60kgの人が必要なお肉は1日300g程度となります。
若鶏もも肉ならちょうど1枚分。唐揚げにすると15個ぐらいできます。トンカツ屋さんのトンカツなら大サイズ2枚分ぐらいですね。
さらに、今以上に筋肉をつけたい、と考えているひとは、これよりタンパク質の摂取量を増やす必要があります。普通のひとと比べて、単純に2倍程度が必要量とされています。若鶏唐揚げは30個、トンカツなら大サイズ4枚分ですね。ちょっと胃袋パンクしそうですね。
このように、運動して身体をガッチリ作りたいと考えている方にとっては、必要量を考えたときに、普段の食事からとれるタンパク質だけでは不足でしょう。
そこで活躍するのが、プロテインサプリメントです。食事ではどうしても不足してしまうタンパク質を、サプリメントが効率よくカバーしてくれるわけです。
昔、何かのテレビ番組で、若手のプロレスラーが泣きながらご飯を無理やり食べていたのを見ましたが、プロテインがあれば、そういうことをしなくても済むわけです。
このように、どうしても不足してしまう栄養素を、サプリメントでカバーするという考え方は、とても有効だと思うのです。
さて。
これを踏まえたうえで、普段の野菜不足を解消するのに、サプリメントを利用するという考え方については、一つの疑問がでてきます。
使用しているひとは、さきほどのプロテインのように、自分に不足している栄養素をちゃんと理解した上で、サプリメントを使用しているのでしょうか?
不足しているのは、どのビタミンですか? どのミネラルですか?
ビタミンもミネラルも、微量栄養素といって、身体に絶対に必要なものではありますが、大量に必要なものでもありません。必要以上のものは使用されず、そのまま排出されますし、排出されない栄養素に関しては、種類によっては、むしろ過剰摂取のために身体に悪影響を及ぼすものもあります。
なので、足りない栄養素をちゃんと調べたうえで、正しく服用するということが大切なのです。
当たり前といえば当たり前ですね。
そんなの、考えるのが面倒だ、という方に、実はとっておきの情報があるんですよ。
とくに何も考えなくても、服用さえすれば、足りない栄養素がいつの間にか摂取できているという、魔法のサプリメントがあるんです。
ビタミン、ミネラルはもちろん、普通のサプリでは摂取しにくい食物繊維やカロテノイドやポリフェノールなど、必要な栄養素がすべて詰まっています。常識の範囲内の摂取であれば、過剰摂取の心配もないどころか、ほかの過剰摂取までもを修正してくれたりするなど、本当に便利で万能で、かゆいところに手が届くサプリなんです。
その魔法のサプリメントの名前は、野菜、っていいます。
3、カットサラダを買ってきているよ
スーパーに行きますと、ありとあらゆる種類のサラダが並んでいます。
それだけ需要があるということなんですよね。
さて、そんな大人気のカットサラダなんですけど、ここにもケチをつけていこうと思います笑
自分で野菜を刻むのも、お惣菜コーナーに並んでいるサラダも、生野菜であることには変わりないから、ようは一緒でしょ?
と思われるかもしれませんが、実はちょっと事情が違います。
まず、カット野菜というのは、基本的に、収穫されてから工場に運ばれ、
水洗い → 大きくカット → 水洗い → 細かくカット → 殺菌 → 水洗い → 水切り → 梱包
という工程を経ます。直接口に入るものですから、野菜の洗浄をこまめに行い、汚れを落としたり、菌の発生を抑えたりしなくてはいけません。
この工程で、まず水溶性の栄養素が流出します。ビタミンB群や、ビタミンCなどですね。
また、工場で梱包された後、全国のスーパーやコンビニなどに向けて出荷されるのですが、配送の都合上、工場からお店まで運ぶのに1日はかかります。お店の棚に並んでからお客さんが購入し、やっと封を開けて食べる、という流れになっています。
さて、野菜がカットされてから、食べるまで、はたしてどれだけの時間がかかっているでしょう?
野菜は収穫されてからも生きています。生きていて、自分の中に蓄えられているエネルギーを、生きるために消費しているんです。
野菜が傷む、ということは、肉や魚が傷むのとは、事情が違うんです。肉や魚はおもに菌が繁殖することで腐敗し、食べられなくなります。一方野菜は、自分の中にある栄養素を自分で消費し続けることで、変色したり、曲がったり、枯れたり、ふにゃふにゃになったりするんです。
そして野菜は、自分の身体を傷つけられることでストレスを感じて、余計に栄養素を消費します。
自宅でも、新鮮なキャベツを玉のまま冷蔵庫に入れていたら1ヶ月ほど日持ちするんですけど、刻んだら2、3日で枯れてしまいますよね。白ネギも、カットされた青ネギの部分が真っ先に黄色くなります。お店に並んでいる白ネギで、先端が黄色くなっているのをみたことがあるかもしれません。あれはすべて、そういうことなのです。
カットされてから口に入るまでの時間が長いということは、野菜の栄養素を野菜自身に奪われてしまっている、ということなんです。
消費期限とは、菌の繁殖が抑えられている期限という意味であり、この期間に食べればお腹を壊しませんよ、という意味です。
栄養価や美味しさを保証してくれる期限ではありません。
カットサラダを食べるのは無意味ではありませんが、こういう点では、自宅で作るサラダのほうが、何倍も価値があるというわけです。
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