ほとんどの野菜にあてはまる、美味しい野菜の条件があります。
それは、新鮮なことです。
なぜ、新鮮な野菜が美味しいのでしょう?
逆に、新鮮でない野菜は、どうして美味しくないのでしょう?
それは、野菜が、生きているからなのです。
野菜というのは、肉や魚が新鮮なのとは、ちょっと違います。
肉や魚は、すでに生命活動を終えています。そこから腐敗菌が活動して、だんだん腐っていきます。新鮮でない肉や魚を食べるとお腹を壊すのは、このためです。
では野菜はどうなんでしょう。
野菜は、畑から収穫した段階では、まだ生きています。出荷されてスーパーに並び、それを買って自宅の冷蔵庫に入れられてからも、生きています。
人参やジャガイモをほっとくと芽が生えてくるのは、生きているからなんですね。
野菜は、ずっと生きています。
私たち人間と同じで、呼吸し、身体の中のエネルギーを消費し、老廃物を排出しています。
この、野菜の中に蓄えられたエネルギーが、時間経過とともにどんどん消費されていきます。
栄養や甘みがどんどん消費され、老廃物として苦みがどんどんたまっていきます。
新鮮な野菜は甘く、鮮度劣化した野菜が苦いのは、このためです。
なので、野菜を新鮮なうちに食べるというのは、美味しいだけではなく、栄養的な意味でも大事なんですね。
野菜を新鮮なうちに食べることが、とても大事であることをわかっていただけたと思います。
では、新鮮な野菜を見分けることが、アナタにできますか?
新鮮な野菜は、どうやって見分けたらいいのでしょう?
世の中には、「新鮮な野菜」と、「新鮮そうに見える野菜」があります。
普段みなさんの口に入る野菜は、アナタが農家さんでない限り、たいてい「新鮮そうに見える野菜」です。
新鮮そうに見えることと、新鮮なことは違います。
まず新鮮な野菜というのは、収穫して間もない野菜のことです。
もったいぶって説明されるまでもないことですね。
そして、新鮮な野菜が美味しいというのも、先ほど説明したとおりです。
一方の、「新鮮そうに見える野菜」のことを、ちょっとお話します。
たとえば、ほうれん草などの葉物野菜。葉物野菜って、朝収穫したら、夕方にはもうフニャフニャになってしまうんです。
草むしりをしたことのある人はわかると思うんですけど、抜いた草って、萎びるのすごく早いですよね。あれは、草が生きるために必死に呼吸してるからです。
呼吸すると、水分だけでなく、草の中に蓄えられた栄養素をジャンジャン使います。なので、しおしおになった草は、水分だけではなく、自分の中に蓄えられた栄養価もなくなってしまっているというわけなんです。
野菜は、収穫されてから農協で、全国の市場に向けて出荷されます。そして問屋さんを経て各スーパーに向けて配送され、スーパーさんの冷蔵庫に行き着きます。この間、とても長い時間がかかります。
スーパーさんにつく頃には水分が抜け、フニャフニャになっています。そこでスーパーさんは、売り場に並べる前に、野菜を水につけてシャッキリさせることを行います。
この工程を「蘇生」といいます。
文字通り、死にかけの野菜を蘇らせているんですね。葉物はもちろん、レタス、サニーレタス、とうもろこし、セロリ、大根、きゅうり……萎びやすい野菜は、すべて蘇生させています。それを「新鮮な野菜」として販売しているわけです。
「蘇生しなければならないほどにくたびれた野菜を蘇生させて、あたかも新鮮そうに見せかけた野菜」と言い換えることができるかもしれません。
しかし、そんなスーパーさんでも、新鮮な野菜を買うことができます。
それは、地元産の野菜を選ぶことです。
地元で収穫された野菜はもともと「新鮮な野菜」なので、わざわざ蘇生させる必要はありませんよね。
ですので、美味しい野菜をお求めでしたら、なるべく地元産の野菜を選択するといいと思います。
それが「新鮮そうな野菜」だなと思ったら、それはそのまま「新鮮な野菜」であることが多いでしょう。
(もっとも、問屋さんやスーパーさんは、物流の都合上、地元の野菜でも倉庫に貯めておくこともあるので、地元産の野菜が絶対に新鮮であると言い切れないのがつらいところですが…)
また、新鮮な野菜を見分けるコツは、新鮮な野菜を手に入れて、よく食べることです。
美味しい野菜がどんなものかを知るためには、まず美味しい野菜を見慣れることです。
八百屋さんは、美味しい野菜をよく食べているから、美味しい野菜のことがよくわかります。
ぜひ、八百屋テクテクで美味しい野菜を手に入れて、美味しい野菜の目利きができるようになってみてくださいね!
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