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スピッツ「オーバードライブ」は、エフェクターの話だった説。



こんにちは、八百屋テクテクです。

今回は、スピッツ「オーバードライブ」について解釈していきたいと思います。

たぶんこの詞でのオーバードライブとは、ギターに歪を生じさせる音響エフェクターのことを指していると思います。普通にギターの弦をはじくとピンピンという音がしますが、これをオーバードライブエフェクターに通すと、ベェンベェンという音になります。この歪のことを、オーバードライブと言います。

この独特の歪こそが、ギタリストに特別な感動をもたらすのです。普通にギターを弾くだけで、まるでロックスターになったような感動が味わえます。エフェクターは他にもディストーションがありますが、王道のロックサウンドを出そうとした場合、オーバードライブが採用されるようです。

ようは、この詞は、ギターにかかっているエフェクトについて感動している詞なんじゃないかなと思うのです。

順番に眺めていきましょう。




こっちへおいでよ かかっておいでよ

美人じゃないけど 君に決めたのさ

マサムネさんが家電屋さんで、オーバードライブエフェクターをウッキウキで購入している場面からはじまっています。「こっちへおいでよ かかっておいでよ」と、エフェクターに向かって話しかけています。このエフェクターでギターをブイブイ言わせて、観客を魅了する自分を想像しています。

「美人じゃないけど 君に決めたのさ」は、エフェクターの見た目がしっくりこなかったのだと思います。とはいえ、見た目よりも性能が大事なのは、いうまでもありません。性能面で満足できると判断したので、マサムネさんは「君に決めた」のだと思います。



ちゃっかり楽しもうよ 闇のルールで消される前に

歌おう この世界中に響くような獣の声で

「獣の声」は、オーバードライブ特有の歪のことを表していると思います。グワーングワーンという獣の唸り声のようなサウンドを、世界中に響かせることができたら、夢のロックスターの仲間入りです。マサムネさんは自分のギターに「歌おう」と呼び掛けています。

「闇のルール」とは、何を指しているのかはわかりませんが、アーティスト側から見えない、大衆の流行り廃りのことかもしれません。今はオーバードライブのサウンドが流行していますが、時代が変われば何も通さないピンピンという軽い音が流行するかもしれません。エフェクトかけているほうがダサい、みたいな。そうなったら、マサムネさんがいくら感動していたとしても、エフェクターを手放さなければいけなくなります。「闇のルールで消される」ことになってしまうのです。

そうなる前に、ちゃっかりオーバードライブを存分に楽しもう、とサウンドに酔いしれています。



いつまでたっても 終わりはしないのか

だいだい色の太陽 答は全部その中に

今ゆっくりとろけそうな熱でもって僕に微笑んで

エフェクターで遊ぶのはいいんですけど、マサムネさんはアーティストなので、楽曲を作り上げるために、そろそろ一つの音に決めていかなければいけません。一つに絞ろうとしてはいるのですが、なかなかベストな音が決まりません。「いつまでたっても 終わりはしないのか」と、嬉しいような、焦りのような、そんな感覚でいます。

「今ゆっくりとろけそうな熱でもって僕に微笑んで」は、オーバードライブの歪をもっともよく表現したフレーズだと思います。「ゆっくりとろけそうな熱」とは、よくいったものです。サウンドに、うっとりしているマサムネさんの様子が、目に見えてくるようです。

「だいだい色の太陽」の中に、曲の答えがあるようですが、これはやはり「ゆっくりとろけそうな熱」に繋がっていると思われます。つまり、サウンドを積み重ねて積み重ねて、音楽の熱を集中させたその先に、サウンドの答えがある、と言いたいのだと思います。



という感じで解釈してみましたが、いかがでしたでしょうか?

曲調も、詞の内容に沿うような感じで、サウンドが楽しそうに踊っています。スピッツにしては(?)詞も曲も、かなり素直な曲だと思います。




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