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スピッツ「スカーレット」は、結婚の曲である説~スピッツ歌詞解釈~

更新日:2023年7月22日



こんにちは、八百屋テクテクです。

今回は、スピッツの名曲「スカーレット」について解釈していこうと思います。

この歌詞はまぁ、特に難しいところは見当たりませんね。「なんか喜びとか悲しみとか、人生イロイロあるけど、二人で仲良くやっていこうぜ」みたいなニュアンスが難なくくみ取れると思います。


まあ、それよりもうちょっと深堀しちゃって、「これは結婚の曲なんじゃないかなぁ」というのが、私の結論なんですけれども。

なんでそう思ったのかというと「スカーレット」というタイトルについてです。

これ、スカーレットは眩しいくらいの赤色を表す言葉なんですけど、これはずっと、歌詞の中にある「赤い灯」のことを指しているものだとばかり思っていたんですよ。

でも、よくよく考えてみると、灯って、赤色じゃないんですよね。ましてや、鮮やかなスカーレット色にはならない。

どちらかというと、太陽を肉眼で見た時のような、オレンジ色をしています。

ロウソクに灯った小さな炎のことを「赤い灯」とは表現しますが、実は「赤い灯」は赤い灯ではありえないのです。ましてや、スカーレット色ではありません。

では、タイトルのスカーレットとは、いったい何を表しているのか……。

と、ここまで考えた時、「盟」を表したものなんじゃないかと、想像するに至ったわけです。

「盟」とは、神様に対して行う誓いのことです。「盟」という字は、生贄の血を捧げることで、何か重大なことを神に誓った様を表しています。この生贄の鮮血が、スカーレットを連想させます。

つまり、スカーレットは、重大な盟約を象徴する色として、採用されたのではないのかなと。

そして、この歌詞に登場するのは、何かを守り続ける決意を示した主人公と、そんな主人公に対して手を伸ばそうとしている君の二人。

彼らが神に対して誓い合うことがあるとしたら、もう結婚しかないんじゃないかなと。


もう少し、詳しく見ていきましょう。



離さない このまま 時が流れても

ひとつだけ 小さな 赤い灯を

守り続けていくよ

喜び 悲しみ 心ゆがめても

寒がりな 二人を 温めて

無邪気なままの熱で

この歌詞を「結婚」というフィルターを通してみてみると、もう結婚式で読み上げる誓いの言葉そのものじゃないかという感じがします。「病める時も健やかなる時も~」という、アレです。初っ端、バーンと誓いの言葉を出してきたわけです。

ここでの「赤い灯」は、心の中にある、君への愛情を表しているのかなと。加えて、神に誓う儀式にはロウソクの炎が用いられます。このロウソクの灯を絶やさないようにすることが、神聖な儀式にとって大事なことです。この儀式において大事に扱われるロウソクの灯を、自分の中に灯った灯と重ねている表現なのかなと、捉えることができます。



乱れ飛ぶ声にかき消されて

コーヒーの渦に溶けそうでも

ゆらめく陽炎の向こうから

君が手を伸ばしたら

コーヒーの渦に溶けそうになっているのは、社会の荒波にもまれる様子を表しています。このあたりの表現も、自主的に本当にそう思っているのかもしれませんが「これから結婚し、二人で力を合わせて生きていきます。若輩ではございますが、みなさまには叱咤激励の~」という、結婚式にありがちな言葉を思い浮かべたくなります。社会の荒波を二人の愛をもって乗り越えていきたい、という結婚式の進行に沿った内容になっているようです。



離さない 優しく 抱きしめるだけで

何もかも 忘れていられるよ

ほこりまみれの街で

結婚式という曲と仮定するなら「ほこりまみれ」はないだろう、挙式会場はクリーンネスが徹底されているのに。と思ったんですけど、これ、物理的に汚れている、っていう意味じゃないんですよね。

先に出てきた「乱れ飛ぶ声」と同じく、人間関係のことだと思います。陰口や嫉妬など、結婚して家庭を持ち、社会と交わっていくうえで、避けては通れない「汚れ」のことだと思います。

そんな「汚れ」も、君への誓いの炎を胸に抱いているだけで、忘れていられる、という、強い決意を表しています。



誰にも言えずに夢見ていた

くずれ落ちそうな言葉さえ

ありのまま すべて ぶつけても

君は微笑むかなあ……

ここは、プロポーズを表した場面だと思います。

「誰にも言えずに夢見ていた」ことを「ありのまますべてぶつける」ことで「君は微笑む」かどうかが気になる場面というのは、人生においては、結構少ないと思います。「ボク、今日のランチはカレーすごく食べたいけど、これを言ったら君はOKしてくれるかなぁ」とかを、この熱量で悩むひとはいないでしょう。カレーがどうしても食べたければ一人でカレー屋さんに行けばいいし、君とランチがしたいんだったら、君が食べたいものに付き合えばいいわけですから。もっとも、こんな悩みは、次の日には忘れているぐらいの悩みでしょう。

ここは、もっともっと重大な、君と主人公の人生に関わる言葉をぶつけようとしている場面だと思います。



こんな感じで解釈してみましたが、いかがでしょうか。

まぁ、「結婚」というフィルターがなくても、「一緒にすごしていこう」というようなニュアンスがくみ取れる歌詞なのではないのでしょうか。

それを、もっと細かく見ていくことで、一つのテーマが浮かび上がってくるのは、スピッツの歌詞の奥深いところかなと思います。




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