こんにちは。八百屋テクテクです。
最初に申し上げておきます。申し訳ございませんでした。
なんの話かというのを、今から順を追ってご説明いたします。
この日は、駅前に遊びにいってきました。目的は、駅前広場のハピテラスで行われるピアフェスにて、今をときめく、ほくりくアイドル部が出演なさるからです。これは行かねば、ということで、日曜日のルーチンであった畑を耕す仕事をキャンセルして、妻と二人で観に行ったのです。
ピアフェスとはなんぞや、という説明はご入用でしょうか? そういう方のために、あとでコッソリ触れますので、よかったら最後まで見て行ってください。まあとにかく、ほくりくアイドル部が、福井のイベントに出演しました、ということです。
とはいえ、福井に来て下さったのは4名のみで、残りのメンバーは石川県の定期公演会出演と、ふたてに分かれて活躍をなさっておいででした。4名、といっても、キャプテンの松井祐香里さんをはじめ、副キャプテンの有松来未さん、人気投票だいたい1位の奥村星香さん、ツエーゲン金沢の代表とも言うべき辰巳未来春さん、と1期生2期生の大ベテランさんたちで、戦力(?)でいうなら5分と5分だと思われます。そのぐらい、強力な戦力を、福井のイベントのために投入してくれたというわけですね。ありがたい話です。
ベテラン4人によるイベント、ということで、それはもうファンサービスがすごかったんです。演目の合間に、あちこちにいるファンの方、子供たちに向けて、視線を合わせて、手を振ってくれていました。キャプテンの松井裕香里さんなど、公開リハーサルの際には、ステージから客席に降りて、子供たちと直接触れ合ったりしていました。歌って踊りながら、ファンの心をつかんで、元気や勇気を配っていく姿に、スター性とか、カリスマ性が宿っているのを感じました。これはもう、誰がどうみても、まごうことなきスーパーアイドルそのものでしたね。
ステージを降りてからも、4人は活躍していました。4人だと小回りが利くのでしょう。ライブ鑑賞していた子供たちと、そのご両親のために、声をかけて回っていました。
八百屋テクテク店主は、頻度は少なくて申し訳ないんですけれども、ほくりくアイドル部の活動をブログにしたりして応援をしておりました。北陸、あるいは福井のために活躍してくださっている彼女たちの活動が、少しでも福井のみなさんに広がることを期待しておりまして。
というわけで、今回のイベントの様子もブログで紹介するつもりでやってきたのですが、ちょうどよいブログのネタが、目の前で繰り広げられているではありませんか。
未来を作る子供たちとの触れ合い……おお、これはいい絵じゃないか、と。
「私も、すみません、(ほくりくアイドル部の活動として、福井の方にひろく声をかけている様子を、裏から)写真を撮らせてもらってもいいですか?」
「あ~いいですよ。どうぞ真ん中に来てください」
パシャー
ああ~~~
ほくりくアイドル部を応援しはじめて、ずいぶん年月が流れましたが、実際に声をかけるのは、今日がはじめてでした。ので、脳の機能が著しく低下しちゃっていました。上記の、ちょい複雑な事情をどう話していいか、よくわからなくなっていたのです。あれよあれよという間に、考えもしなかった素敵な写真を撮らせていただいておりました。
本来でしたら、この時間は子供たちと、そのご両親にむけた時間だったと思うのですが、そのお時間を私のような陰の者が頂戴してしまいまして……。大変申し訳ございません。
いや~いいんですかぁ? 本当にありがとうございます。家宝にして厳重に保管させていただきます。きっと1000年後テクテク遺跡の発掘調査にて、この写真が出土することになるでしょう。そうなれば保管の厳重さから、写真のお二人はきっと歴史的に重要な人物だとされて、その時代の国立歴史博物館の一番いい場所に展示されるに違いありません。
いまや福井では超有名人なので、もはや説明不要かと思いますが、左にいるのがゆかり姫こと松井裕香里さんで、右にいるのがツエーゲン辰巳未来春さんです。
半年ほど前に、定期公演を拝見させていただいた際、差し入れとして八百屋テクテクのミカンを、設営スタッフさん経由で進呈させていただきまして。
そして本日、辰巳未来春さんからお声がけしていただいた際、実は八百屋テクテクですと申告しましたところ、開口一番「あ~~!みかんありがとうございました!」とお礼を言われました。半年も前の話ですから、いやぁ~律儀な方だなぁと感激しました。
でも私は「ははぁ、覚えていてくださったのですねぇ」と、脳の機能が低下しているので、あまり気の利いたことが言えずじまいでした。
そのすぐ後に松井裕香里さんも来てくださって、彼女からもみかんのお礼を言われたので、ここでもまた私は「ははぁ、覚えていてくださったのですねぇ」と、健忘症のチェックをしてる人みたいなセリフしかでてきませんでした。これは、しくじりましたね。
本当なら、アイドルにいざ会った時どんな話をしよう、と事前にシミュレーションしておくべきでしたね。会って話ができると、まっっったく考えもつきませんでした。応援してますとか、福井をこれからもよろしくとか、いろいろ伝えるべきことはあったと思うのですが……残念無念。まあでも、次の機会のために、これからシミュレーションしておきます。できればスラムダンク三井寿の「バスケがしたいです…」ぐらいには、相手に想いが伝わるようになっておきたいですね。
4曲のうち2曲は「木綿のハンカチーフ」「TOMORROW」と、親しみやすい曲を披露してくださいました。
でも一番会場が盛り上がったように思えたのは、北陸新幹線延長のテーマである「かがやきストーリー」(違っていたらすみません…)を披露した時だったと思います。
福井在住の方を対象にしたアンケート調査では、北陸新幹線延長にそれほど熱量がないことが明らかになっていましたが、これは新幹線が来ることによるワクワク感を、自分事として市民が受け止めていないのが原因だと思います。新幹線が来ることと、自分の生活に、なんの関係もない。そう思っているからです。
人の感覚というのは微妙なもので、実際に効果がなくても実感することがあるし、逆に効果があっても実感しないこともあります。観光客が実際にお金を落としていったとしても、「ふぅーん…」という冷めた感覚に終始することもあります。
その、微妙で繊細な福井の人々の感覚を、一気に覆すエネルギーを、ほくりくアイドル部の「かがやきストーリー」にて私は感じました。それだけの熱量を、あのライブの際は、持ち合わせていたと思うのです。
最後に、ピアフェスについてコッソリ。
ピアというのは、かつて存在した福井の商業施設です。
当時の商業施設といえばデパートが主流でしたが、これはデパートという大きな箱の中に、小さな専門店が家賃を払って出店しているという形態でした。なので、専門店とデパートの力関係はデパート側が圧倒的に強かったのです。いわば、デパートは荘園領主であり、専門店は小作人でした。実際、デパートの売り上げのほとんどが専門店からの家賃収入であり、家賃に経営を圧迫された専門店は、大きな広告や営業活動ができずにいました。
そこで考えたのが商業組合で土地建物をおさえて、大型店と共同で経営するスタイルです。福井のピアではじめて実践されたので、「福井方式」なんて呼ばれることもありました。これだと商業組合がある程度自由にイベントや広告をうつことができますし、大型店も建物の建設費用を抑えることができます。この経営スタイルは、のちのイオンモールにも受け継がれています。
ほくりくアイドル部のライブの後は、ピアフェスのイベント主催者である、福井の知識人若新雄純さんが司会進行役を務めて、上記のお話をパネラーと1時間ほど語るという、真面目な時間がありました。八百屋テクテクがピアフェスにきた目的は、ほくりくアイドル部のライブが半分で、もう半分は若新さんのパネルディスカッションが目的でした。そのぐらい、私は期待して臨んだのです。
いや、こういう言い方になってしまうのは大変恐れ多いことですが、進行したお話自体は、私のような福井の業者であれば、誰でも知っているような内容です。特に目新しさはございません。討論の中で、何かを発見できるといった性質の内容ではありませんでした。
でも、重要なのは、討論の内容ではないと、私は思っています。驚くような戦術戦略というのは、各々の密室で謀ればよいことです。逆に、技術的に深い内容を披露しすぎれば、視聴者にとってはつまらない会になってしまうでしょう。
それよりも、福井で活躍するパネラーさんをお招きして、中新さんが音頭をとって、みなさんに話をしていただく機会を設けること自体に、とてつもなく価値があると思っています。今日の、ピアの血液を受け継ぐ方々の会合は、歴史的な1ページといっても過言ではないでしょう。
古代中国に斉という国がありましたが、中国に点在する国々と首脳会談をはじめて実施した際、斉に集まるのは小国5国の、それも大臣のみの出席でした。結果、これといった成果もなく解散となりました。斉の君主は自分の影響力、発言力のなさに落ち込みました。が、のちに名宰相として中国の歴史に名を遺すことになる、当時の斉の宰相であった管仲は、「私は満足しています。こういう目的の会合を開催し、開催したことを天下に知らしめることこそ大事なのです」と君主を励ましました。結果は、管仲の言うとおり、会合を設けるたびに規模が大きくなり、ついに斉は、国々をまとめ上げるリーダー役となり、覇権を握ることに成功したのです。
歴史が動く時というのは、革新的なアイディアによると思いがちですが、ほとんどの場合は、多くの人々の支持を集めて、意思を集結させたときにおこりうるものなのです。
なんてことを考えながら、若新さんのパネルディスカッションを拝聴させていただいていたのですが。
私が座っていた席のすぐ後ろに、いつの間にか、先ほどまでステージにいたほくりくアイドル部のメンバーさんがズラーっと並んで、若新さんたちによる、1時間に及ぶお話を、立ったまま聞き始めていたのです。
この状況にドギマギしてしまったのは、いうまでもありません。ほくりくアイドル部のプロデューサーさんのお名前が中新さんというのですが、もしかしたら若新さんと間違えているんじゃないか、だなんて一瞬真剣に思いましたが、これはまあ、違いますよね。
いやぁ、福井のピアのお話に興味を持ってくださるのはありがたい話ですよね。若い彼女たちの期待に応えるためにも、もっと福井の商業を盛り上げていかなければいけませんね。私も小売業者として、できる限りのことはしていきたいと、このピアフェスで思った次第です。
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