八百屋さんの私。
よくスピッツの曲を野菜の曲にしては楽しんでおります。
例えば、「優しいあの子」を「野菜しいあの子」にしたり、「ヤマブキ」を「山蕗」にしたり。もうね、本当にくだらない話で恐縮なのですが、にもかかわらず、ツイッターなどで私をフォローしてくれている同じスピッツが好きな方から、替え歌に、いいね!を多数いただいております。いっそう恐縮してしまいます。
とはいえ、この替え歌をすることで、すごさに気が付くという例もままあります。
その際たるものが、「見っけ」だと思います。
どうすごいのか。
私的にいえば、替え歌が作れないという点です。
もしかすると、マサムネさんは、私が野菜の替え歌を作っているのを知っているのかもしれません。
そして、せっかく作った曲を野菜の歌に変えられて、憤慨していたのかもしれません。
なので、新曲発表の際には、ぜったいに替え歌にされないように対策を施した曲をひとつ、トップバッターに配置することで、私の出鼻をくじこうとしたのではないのでしょうか?!?!
「ふふん。どうだ替え歌にできまい」
と、ほくそ笑んでいるかもしれません。
1000%あり得ない話ですが、そういう意地悪をしたのではないのか、というぐらい、この曲は改造がしにくい構造になっているのです。
さいかいへ
きえそうな n
みちを m
めぐりたい m
にんげんに n
なんないで n
くりかえす
ものがたり m
さいかいへ
りゅうせいの
ぴゅんぴゅんで
かけぬけろ n
なまぬるい mn
うんめいを nm
やぶりたい
みらいを m
ひっかいて
こう書くとわかると思うんですけど、まずサビが、5文字ばかりで進んでいます。
例えば普通は、「空も飛べるはず」を例に挙げると、
きみと
であった
きせきが
この
むねに
あふれてる
きっと
いまは
じゆうに
そらも
とべるはず
と主に2文字か3文字で構成されているわけです。これなら、「ハムと出会ったトマトがこのピザに溢れてる きっと今は釜戸でピザも焼けるはず」とできるわけです。同じ2文字と3文字の食材と、交換していけばいいわけですから。
でも、5文字となるとダメです。5文字の食材が極端に少ないですし、たとえ2~3文字+接続詞で無理やり5文字にしたとしても、このピザも焼けるはずのように、綺麗な日本語にならないのです。そもそも、見っけは、よくこんな綺麗な日本語の5文字を見つけて、当てはめてきましたね。鳥肌ものです。
次に、赤い色付きの部分を見てもらえばわかると思うのですが、同じ音を二回繰り返す箇所が多いです。サビの曲調で、同じ音を繰り返すことで、曲の重厚感、わくわく感を増幅させる効果があります。ピュンピュンはそのままですが、さいかい、とか、にんげん、の部分は、普通に聴いていたのでは気が付かない部分だと思います。あれ? なんか重厚感あるね? っていう、無意識に思わせる部分です。すんごい技術ですね。
それから、nとかmとかの部分ですが、これは、な行(ん)とま行を使っている部分です。こう見ると、すごく多いことがわかります。意図的なのかはわかりませんが、やたらと多いですよね。唇と舌を激しく動かさないと、歌えない曲になっております。
nとmが多い理由については定かではありませんが、たぶん、上記2点のこだわりからすると、これも音的に大事な要素だったのではないかなと思います。
これだけ多くの仕掛けがある曲は、スピッツの楽曲では珍しいです。
この曲をアルバムのタイトルに、かつ、一曲目にもってきたということは、どんな意味があるのでしょうか。
「まだまだ多くの新しいメロディに挑戦していきたいんだ。こういう曲の作り方も『見っけ』たんだ」というメッセージに、私には聞こえました。
ベテランの部類に見られてすでに久しいスピッツですが、まだまだ新しいものに挑戦していくんだという、意思表示です。
こういう解釈ができるのは、とても嬉しいですね。
見っけ、すごいですね!!!
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