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荒井由実「14番目の月」から考える、告白の意味



こんにちは。八百屋テクテクです。

今回は、荒井由実「14番目の月」からわかる、告白の意味についてみていきたいと思います。

みなさん。愛の告白ってしたことありますか? したことない人にとっては、めっちゃ悩ましい問題だと思います。

そもそも、愛の告白って、なんなのでしょう? どういう意味において必要なことなのでしょう?

愛の告白は、通常、カップル同士になるために必要とされています。カップル同士になれば、カップル限定のディナーとか映画とかディズニーとか、そういうイベントに参加しやすくなります。またキスをしたりハグをしたりといった、体の接触を許してもらえることもあるでしょう。

ただまあ、ややこしい話なのですが、告白をすっとばしても、こういうことができなくはないです。アメリカなどでは、そもそも告白して付き合うという概念がありません。そういう雰囲気になったら、そうするのです。逆に、告白したからといって、一緒に出掛けることもないし、体の接触も許さない人だっています。「告白したら、こうしなさい」と法律で決まっているわけではないので、正直、どんなことをしようが、自由なのです。

こういう「告白」の意味が薄まっている時代だからこそ、「告白」の意味を考えてみないかい? というのが、今回のブログのコンセプトになります。

もちろん、「告白」の意味をどう捉えるかは、個人の自由です。強制するつもりはありませんし、こうすべき、こうあるべき、みたいな上から目線の話でもありません。

ただ、こういう捉え方をしておくと、楽しいかもしれないよ、恋愛が楽しくなってお得かもしれないよ、という、あくまでも自分自身にとって耳よりな情報として、読んでもらえると幸いです。

これをふまえて、詞を眺めていきましょう。




あなたの気持が読みきれないもどかしさ

だからときめくの

愛の告白をしたら最後 そのとたん

終わりが見える

um...IWANUGA HANA

その先は言わないで

上記にて、告白の意味を長々と述べてみましたが、詞ではむしろ、「その先は言わないで」と告白を否定しています。

告白は、カップル同士になる宣言です。一緒にディズニーにいったりする権利であり、ハグとかキスをする権利になります。そうしてもよい、と相手に許可を与えることになります。お互い恋をしていたら、普通なら、やりたくて仕方がないことだと思いますし、かなえてあげたいことだと思います。

が、それをしないでくれ、と言っています。いったい、どうしてなのでしょう?

なぜなら、手に入れてしまえば、魅力が減る可能性があるからです。あまり適切な例が思い浮かばないのですが、空腹で死にそうな男性がいたとして、大皿に盛られた美味しそうな料理が運ばれてきたら、この大皿はめっちゃ魅力的に映るでしょう。でもその大皿に手をつけて、中の料理を平らげたとしたら、男性はこのもう大皿には興味を示さなくなるでしょう。大皿の中身を得るために死ぬほど努力することを、ハングリー精神とも言われていました。ハングリー精神は、ハングリーな状態でこそ発揮できるもので、逆に言えば、満腹になってしまえば、それ以上貪欲に求めることを辞めてしまう、と考えられています。

恋愛は、満たされないからこそ、惹かれ合う性質があります。もちろん、満たさることで、終始幸せで穏やかな恋愛もあるでしょうけれども、満たされていない状態の方が、より強く相手を吸引することができます。そういう性質の恋愛もあるということです。



つぎの夜から 欠ける満月より

14番目の月が いちばん好き

15番目の月は満月です。16番目の月は、満ち欠けが始まった十六夜となります。単純に月の美しさからいえば、満月もしくは十六夜が古来より美しいとされています。

ただし、今は月の美しさについて語っている場面ではありません。恋愛の状態を、月の美しさに例えたときに、「14番目の月」に該当する状態が、一番好きだと言いたいわけです

そして、14番目の月に当たる状態はどんな状態かというと、「気持ちが高ぶった、告白寸前」という状態のことでしょう。

現実的なことをいえば、こういう状態で宙ぶらりんになるのは、とてもキツイです。とくに白黒はっきりしたがる現代人には、耐えられないでしょう。実現が難しい状態だからこそ、価値があるのかもしれません。



気軽なジョークが とぎれないようにしてね

沈黙がこわい

月影の道で 急に車止めないで

ドキドキするわ

um...YANAGI NI KAZE

なにげなく かわすけど

つぎの夜から 欠ける満月より

14番目の月が いちばん好き

このパートは、まさに「告白寸前」の場面です。「沈黙」をしてしまえば、次に相手が言い出す言葉は「好きだ」かもしれません。そう思い詰める状態に、してはいけないのです。なので、「気軽なジョークが とぎれないようにしてね」と要望しています。気軽なジョークをひたすら吐かせて、告白しようかどうしようかと、考える余地を与えないようにしたいのです。

まあでも、「柳に風」と思っています。相手から告白っぽい言葉が来ようとも、真正面から受け止めないように準備をしています。回避できるようにしています。「つ、付き合ってください!」「えっ、どこに? 買い物? なんか買うの?」みたいな、すっとぼけるつもりでいます。

そういう感じで、14番目の月の状態を、長く楽しむつもりでいます。




という感じで解釈してみました。

以上を鑑みまして、改めて「告白」の意味とやらを考えてみると、「なくてもいいけど、あったほうが幸せ」というのが、なんとなくわかる気がします。

告白という概念がないと、そもそも詞のような状況には至りません。告白というものを大事にとらえているからこそ、告白寸前という状態が生まれるわけです。そしてそれは、何よりも美しく、楽しいものだと思えるのです。

もし、アナタに好きなひとがいたとするなら、告白しそうでしない、という状態を、楽しんでみていはいかがでしょうか? まあ相手がある話なので、なかなか難しいかもしれませんけれども。迷惑に思われて、嫌われてしまうリスクも、ないとは限らないですし。

恋愛って、今も昔も、難しいですね…。



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