旬ってなんだと思いますか? そうですね。野菜や魚が一番おいしくなる時期のことです。 誰でも知っている、当たり前のことです。 でも、この質問を投げかけられたとき、一瞬ドキッとしませんでしたか? そう。旬について、答えられるかどうかの自信がないんですよね。 より正確に言えば、旬という言葉の意味は知っているけれど、 今の旬の野菜は何か、旬の魚は何か、を自信をもって答えられない、 というのが現状なのではないのでしょうか? 私たち八百屋さんが、なぜ旬を大事にしているのかと申しますと、
「栄養価」と「美味しさ」
この二つが、旬の時期以外に収穫された野菜と比べて、ずば抜けているからなんです。
なぜか。旬というのは、その野菜が健やかに育つ条件が整っている季節なんです。
例えば、白菜。白菜は冬に旬を迎えます。
寒い時期を迎えることで、ギュッと締まり、甘さと栄養価を蓄えるようになるのです。
しかし夏場の白菜はどうでしょう? 夏の白菜はフカフカしています。
寒くないので、締まる必要がないんですね。甘さものりません。
また夏場は虫が多くなるのですが、この虫たちが白菜の葉を食らいます。
野菜だって我々人間と同じで、身体の一部が食われるととても痛がります。
痛みや傷のために成長が阻害され、不健康な状態になり、最悪枯れてしまいます。
夏場には、虫食いでボロボロになった白菜をよく見かけます。
自然志向の方などで
「虫が食べたから美味しい野菜に違いない」
と好んで買われる方がいらっしゃいますが、私どもとしてはおすすめしません。
枯れる一歩手前ほどに虫食いにされた野菜は、栄養も奪われてしまっています。そういう野菜は美味しいはずがないからです。
一方、冬場に成長した白菜は、虫食いがほとんどありません。
冬場に虫自体が少ないというのもそうですが、過ごしやすい環境でのびのび育った白菜というのは、とても健康なのです。
健康な白菜は、病気や虫などを、ある程度自分で撃退する力を持っています。虫に食べられたくないのは、白菜も我々も同じです。長い年月をかけて培われた遺伝の力と、植物本来の生命力で、虫を撃退しているのです。
このように、旬であるかどうかというのは、
その野菜が健康に育つ環境であるかどうかに、左右されるということなのです。
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