もうね、「君は太陽とは、スピッツの曲で~」っていう説明もいらないかな、と。
ちいさいブログですから、スピッツを知らない人や、「君は太陽」を知らない人は、そもそもこのブログを見ないと思いますし、まさか「君は太陽」がどんな曲かを知りたくて、このブログを見る人もいないでしょう。スピッツも「君は太陽」も、十分知っている人だけが、ここにたどり着けた感じだと思います。
あ、いや、でも、野菜を買いに来た人も、このブログにたどり着く可能性がありましたね。なので、そんな人にスピッツを広めるためにも、丁寧に説明したほうがいいんでしょうか。どうなんでしょう?笑
とにかく、この「君は太陽」の歌詞。
個人的には、意味よりも何よりも、まず「君は太陽」というすごいワードに目を引き付けられます。
君は太陽とは、とても大きくでましたね。
この、大きすぎるワードを扱うためには、全体でバランスをとる必要があります。食事と同じで、甘~いセリフを美味しく咀嚼するためには、酸っぱい言葉や苦い言葉を交互に食べることが大事なんですね。
そのバランスを、コック草野はどう判断したのか。「君は太陽」というワードは、どれだけ大きいと思ったのか。どれだけ甘いと思ったのか。
「あきらめた」「少ない知恵」「小さく」「見透かされていた」「唇をへの字にしてる」「よくわかんない」「斜めった」「止めたくない」「ごめんなさい」「理想の世界じゃない」「渡れない濁流」「闇にハマってる」「固く閉じていた」「美しくない」「ヒリリと痛い」「酸っぱくて」
これが、歌詞にでてくるマイナスなワードです。酸っぱさや苦さを感じるワードです。
これだけ酸っぱさや苦さを盛り込まないと、「君は太陽」という甘い言葉を美味しく消化するのが難しいと判断したんですね。
しかも、「君は太陽」という言葉は、大サビに一度しか出てきません。甘い言葉の扱いが、いかに難しいかがわかります。
でも、どうでしょう。
たぶん私たちが「君は太陽」をなんとなく聴いても、あ~君は太陽だよね、って感じ、しますよね。
君は太陽は、歌詞中に出てくる、すべてのマイナスのワードをひっくり返す効果があります。このあたりが、とてもすごいと思うんですよね。計算されつくされています。いいですね。
この、歌詞の構図を考えると、「君は太陽」は、まず最初に「君は太陽」というワードができて、さてこれをどういうふうに味付けするべきか、という観点から、肉付け、味付けされたものなんじゃないか、という印象を個人的には受けました。前出したマイナスなワードの不自然な多さは、これはもう意図的に揃えたんじゃないかと思うんですよね。普通は、あるテーマがあって、それに沿って言葉を選んでいくのが歌詞の作り方だと思うんですけど、一つのワードにそう考えると、面白いですね。
歌詞の意味は、どうなんでしょう。
全体を通してみると「かなわない恋」という感じがします。
普通の恋なら、初っ端から「あきらめた」と呟くこともないでしょうし、「愛は固く閉じていた」なんてこともないでしょう。「渡れない濁流」というぐらいですから、相当ハードルの高い内容なのだと思います。
「色づいた果実」が「すっぱい」という表現は、「すっぱい葡萄」のことわざを連想します。自分の手に届かないところにある、価値のあるものを指します。自分と立場が違う、手の届かない存在にたいする、まさに太陽みたいな人に恋をしたことを示しているのではないのでしょうか。
あるいは、すっぱい果実は、未成年を表しているのかもしれません。色づいたと思って食べたら酸っぱかったというのは、たいてい未熟な証拠です。
どちらにせよ、この立場が違う恋を叶えるために、「少ない知恵しぼって」みたけれど、君には「見透かされて」しまい、それはダメだよと「くちびるをへの字に」されてしまいます。それでも「僕」は君ではない誰かに「背中をぐっと」押されて、ごろごろと転落への坂道を「転がっていく」ことを決めたようです。「ごめんなさい」と謝りながら。
「大丈夫そうなんで」と結論を出していますが、本当に大丈夫でしょうか。心配です笑
しかしながら、マサムネさんの「かなわない恋」に悩む姿勢を描いた「君は太陽」には、勇気をもらえます。
誰しも一度は、子供の頃、「かなわない恋」をしたことがあると思います。大人は、付き合ってくれそうな人とお付き合いをするという理性が働くので、すっぱい葡萄に手を出すなんてことはそんなになくなるのですが、子供の頃に憧れるのは、すっぱい葡萄です。それに手を出そうとして、悩んだり、怪我したり、諦めたりするんですよね。
こういう時に、「君は太陽」の歌詞がぐっと来ます。
「君は太陽」の中の君は、僕にとって、渡れないほどの濁流の向こう側にいる、とてもとても遠い存在です。僕は悩んで悩んで、その結果迷わないことを決意しています。その結果、明日向こう岸にたどり着けるみたいです。
もし、自分の恋がかなわない相手の場合、君は太陽を聴くと、頑張る勇気がもらえるかもしれません。
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